episode 1 御代田の空き家の出会い
- 岳史 吉田
- 2024年12月4日
- 読了時間: 3分
更新日:1月14日
これから建築家として生きていくにあたって、
どのように生きていきたいのか?ずっと考えていました。
漠然と、「地球にも人にもやさしい暮らしがしたい」と思っていて
やっぱり、「スクラップ&ビルド」の壊して建てての繰り返しよりも、
いますでに目の前にあるもの(空き家)を、どう未来に生かしていけるのか?
「ストック&リノベーション」のほうに可能性を感じていました。
少しの間ヨーロッパに住んでいたこともあり、
古いものをおしゃれにリノベーションする文化にも憧れていたし、
今まで、古い建物を、職人さんたちと一緒にリノベーションしてきた経験もあるので、よし、できるぞ!と。
たまたま、東京から御代田町で移住することになって、
インターネットで、「御代田 古民家 300万円」とかで検索したら、最初にヒットしたのが、この物件でした。笑

正直、画面上じゃ、よくわからなくて、まずは実物を見てみようと、御代田に初めて来ました。

そしたら、古民家と大ケヤキと石積みのハーモニーが素晴らしくて…
この土地やこの地域の空気感がほんとうにステキな場所で、あ〜ここに住みたいな〜と。笑
それでも、建物の骨組みがまだ使えるのか?腐っていないのか?不安で、、、
購入前に3回は見にいって、床下ものぞいて、腐っている箇所がないか、
とにかく見て、それで自分だけじゃ不安だから、建築家の友人にも一緒に来てもらって、
現調(採寸)して、図面も起こして、友人も、「これは素晴らしい建物だよ。大丈夫だよ。」と。
不動産の購入も初めてで、しかも築100年の古民家で、
ドキドキしながら、買付証明書を出して、
まぁ人生一回きりだしと、笑
それなりに決意して、よし、引き継がせていただこう!再生するぞ!と…
そしたら、1週間くらいして、不動産屋さんから連絡きて
「実は、あの物件は、もう解体予定なのです..」と言われて…
もう「えー!!」となって、あの古民家は、まだ再生できます。僕に再生させてください。
と、なんとか頼み込んで、譲っていただだきました。
古民家に向かうと、
解体前のお祓いの儀式は、もう終わっていて、現場に清め塩が置いてありました。
このタイミングは何よりもご縁を感じたし、
この古民家を再生していくことが、僕の使命なんだなと心新たにしました。
「古き良き価値観が、壊されてしまう。」みたいなノスタルジーの話よりも、
本当に、まだ大黒柱や梁は使えるし、環境の時代にいて、これを全部で燃やしてゴミにしてしまうのは、もったいないな〜と。
むしろ、再生することがもっと当たり前になって、
若い人や移住者さんの住まいの選択肢になれば、
もっと、フレキシブルで、もっと自由な時代がやってくるんじゃない?
そう思っています。
この古民家再生の物語は、まだ始まったばかりだ。
この空き家再生の物語が、枝葉となり広がり、空き家再生という大きな樹が社会の幹(=未来)になることを願って。

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